〜固めない強い想い〜安芸高田ノ巻

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    続いて向かったのは、広島県『安芸高田市(あきたかたし)』。
    戦国武将毛利元就の本拠地として知られ、広島県の北部に位置する市。

    伺ったのは隣の庄原市から最近引っ越して来たばかりの無農薬・無肥料栽培をされている『あちゅらむオーガニックファーム』さん。
    専業農家ではなく、飲食店も経営していて、広島市内で営業する『シェリーの畑』では自家農園の野菜を使った料理も振舞われている。
    主に旦那さんは農園を。
    奥さんは飲食店をと、二本柱で運営されています。

    お話をうかがったのは、あちゅらむオーガニックファーム代表『栗栖 伸明(くりす のぶあき)』さん(39)。
    ベジタブルジャーニー131件目の農家さんです^ ^



    農法で言うと?

    農法は無農薬・無肥料。
    うちの奥さんは自然農って言ってるんですけど、厳密に自然農でやっている人から言わせたら違う部分もあるのかなと思うので、あえて僕個人としては自然農とはうたってはないんで、無農薬・無肥料でやってます。

    有機肥料は一切入れてないんですか?

    入れてないですね。
    農薬は最初から一切使ってないですけど、始めた頃は有機な動物性の肥料も入れてたんですけど、それが果たして安全かと言うか。
    例えば豚を飼ったり、自分達でその循環を作れば納得ができると言うかそういう物(動物性肥料)も入れてもイイかなとは思っているんですけど、今のところそういう事が出来る環境じゃないので、収量は少ないんですけど有機肥料も入れてないですね。

    雑草はなどはどうするんですか?

    雑草は抜く事はほとんどしないですけど、植えてる作物より大きくなったら刈って草マルチだったり上に乗せたりって感じでやってますね。

    主力の野菜とかはありますか?

    ベビーリーフを今後、主力にしたいとは考えています。
    広島に有名な農家さんで『梶谷農園』さんってあるんですけど、こういうやり方があるんだと思って。
    自然農とは対極する部分なのでバランスを観てやりたいなと思っていて。
    農業以外に飲食店もやってるんですよ。
    むしろ飲食店がメインで事業始めたので、自分で作った物(農作物)をお店で出したいなっていうコンセプトで。
    ある程度、お店が回るようになったら農業だけでやりたいなっていう想いがあって、農業である程度やっていく為には、ちゃんと収益を上げる物(飲食店)をやらないとなと思って。
    去年の冬に梶谷さんの所を訪れて、なるほどなと。
    うちの店も当初から珍しい野菜を中心に作ってきたんですけど、もう少しスパンの早い小さい野菜も面白いかなと思って、それを主力にしようと今年は思ってます。



    栗栖さんの生い立ちから、農家になるキッカケとは。

    庄原市っていう所で生まれ育って、高校卒業して、コンピュータ系の専門学校で広島市内に出て。
    地元が雪深い所でスキー場もいくつかあるんですけど、高校の頃から趣味でスノーボードを始めて。
    専門学校を卒業して、就職する事もなく。
    専門学校卒業した翌年に、スノーボードで知り合った友人が一軒家をみんなで借りて、住みながらスノーボードをするっていうダメな生活を6シーズン(6年間)冬場だけ生活するっていうのを26歳ぐらいまでやってて。
    たまたま僕がお世話になってるスノーボードショップで今の奥さんが働いてて、そこで知り合って、彼女もそういう生活をしてたけど、付き合い始めるようになってからお互いそういう生活はしなくなり。
    うちの奥さんは付き合い始める前から言ってたカナダにワーキングホリデーへ行って、僕は地元で不動産系の仕事をしてたんですけど、30歳を迎える事を機に、今後を考えたらずっとこの仕事をするのもどうかなと。
    仕事を辞めて、彼女が居る海外へ行ったんですよ。



    スノーボードも出来るし、仕事の蓄え(資金)もあったので2ヶ月間くらい放浪してたんですね。
    最初はカナダのウィスラーっていうスキー場に居て、そこからバスで38時間ぐらいかけてオーロラを見に北上したんです。
    その時にカナダのナイヤガラの方にファームステイしたんですよ。
    それがこういう今があるキッカケなんですね。
    そのファームステイしてた所のご夫婦がベジタリアンで、2週間ぐらいしか居なかったんですけど、『自分達で食べる物は自分達で作る』っていう生活をしていて。
    日が昇った朝起きて、農業してという生活で、野菜だけでも充分に美味しくて、体調も良かったし、それがすごく衝撃的で。
    日本に帰って来て何をしようって漠然と思っていた時に、農業をやろうかなと思ったんです。
    うちの奥さんは自分で事業をしたいという想いがあったみたいで、だったら2人で飲食店を始めて、そこで使う野菜を作ったら良いんじゃないって感じで始めたんですね。

    食べる物を自分達で作るって、その時は漠然としていたんですけど、下の子供が生まれた事がキッカケに、食について深く考えるようになったんですよ。
    食べ物を選んで子供達に食べさせなきゃって思いが出てきて、添加物とかもこだわり始めて今に至ります。

    自分がなぜ無肥料にしたかと言ったら、田舎だとちゃんと肥料を入れないと育たないって言われてて「本当に野菜は肥料入れないと育たないのかな?」っていうのがキッカケで。
    なんか僕そういうところが変わってるみたいで、言われた事が本当かな?って思っちゃうとこがあって。
    やってみたら、収穫までのペースが遅かったり、肥料やった方が早いし大きくなるけど、出来ない事はないなって。
    こだわって自然農でやってるわけではないので、最初に言ったように循環出来るような仕組みが出来たら理想的だなとは思うんですけど、今はそう(自然農で)やってますね。



    飲食店はカフェ的な料理?

    今はカフェっぽい料理ですね。
    うちの奥さんがワインを好きで出してるんですけど、ワインもオーガニックな自然ナチュールな物しか出してないんです。
    ワインが好きで東京に飲食店の研修へ行った時に凄く影響を受けたお店があって。
    生産者の事をお店が伝えようとしてると言うか、こういう想いを持って作ってる人のワインなんだよって事を、凄く熱い想いで提供したり話してたりしてて。
    飲食店はそういう立場なんだなと思ったんですよね。
    『生産者の想いを伝える事』も飲食店側の役目なんだなって事を思ったので、想いのある生産者の物を提供するっていう事に徹して、どういう人が作ってるか解るものだけでお店をやりたいなと思って、今はそれが出来てやってる感じですね。

    最後にあちゅらむオーガニックファームのこだわりとは。

    農園としてのこだわりは、安全な物を作っていくのは前提で、人が普通だろと思う事を普通だと思わないような、こだわらないってところを僕はこだわってるってところですね。
    自然農にこだわりすぎないと言うか、こうじゃないといけないって事を自分の中に決めないという事。
    固定概念を極力持たないようにしたいなとは思ってますね。
    その時の自分が何を信じるかによって変わって来るとは思うんですけど、あまり突出して自然農とは言いたくないなとは思ってますね。





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