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〜自然が育て自然を育てる〜中土佐ノ巻

ベジタブルジャーニー36県目の高知県に来ました^ ^
高知県は四国の南に位置し、その大半が農村地帯。
同じ四国でも、先日行った北に位置する香川県では、全国で年間降水雨量988mmの最下位に対し、南に位置する高知県では、年間降水雨量3,093mmと全国1位。
南北に隣接している県が降水量の『最大』と『最少』を占めているなんとも不思議な関係性。

四国では南側から海風が吹き寄せ、四国山地にぶつかり強制滑昇して上昇流が発生します。
これにともない「山地の手前で凝結して降水(雨)に至る」
というのが、高知県で降水量が多い理由。

それとは対照に、降水によって水分を失った空気が、香川県側で下降流となって気温が上昇るから「相対湿度が下がり、雨が降る確率が低くなる」
と言うのが、香川県で降水量が少ない理由だそうです。

今回はそんな雨がもたらしてくれたご縁とでも言いますか、ここ数日の間、雨が続いて畑に土砂の水が流れ込み、そのせいで作業が出来ないところ、たまたまオファーを受けて頂けたのがきっかけでお会い出来ました。

高知県『中土佐町』で自然農法の生姜を軸に、文旦、小夏、ゆずと土佐を代表する柑橘類も栽培している『潮と空農園(うしおとそら)』さんの所へお邪魔してきました。

お話をうかがったのは就農して2年目の潮と空農園代表『八木 昭宜(やぎ あきのり)』さん(39)。
ベジタブルジャーニー128件目の農家さんです^ ^



農家になるまでの生い立ちって聞いてもいいですか?

生まれは愛知県で、育ったのは豊田市です。
豊田に居たのは高校卒業する18歳まで。
高校卒業した後は神奈川県の油壺で水族館に就職したんです。
アシカのトレーナーをしてましたね。

なんで豊田市(愛知県)から油壺(神奈川県)へ行って飼育員をやりたいと思ったんですか?

もともと、親父が釣りとかキャンプとかに連れてってくれてて、ずっと釣りをしていたんですよ。
魚とか水遊び系が好きだったので、そのまま高校が水産系だったんですよね。
進路もどうしようか悩んでる時で、大学も受けたりしたんですけどピンッと来なくて。
たまたまそんな話が来たので就職しました。
結局半年ぐらいで辞めちゃったんですけどね。
そこから愛知県へ戻って来て、その頃はルアーフィッシングのバス釣りがちょうどブームな頃に、たまたま名古屋のショップでアルバイトの募集があって、3年ぐらいバイトした後に社員に。
20代はルアーフィッシング専門でやってましたね。
最後は仕入れの統括をやって、ピーク時には全国で35店舗ぐらいあったのかな?
そこで僕の居たチームで全部商品仕入れとか、店舗作ったり。
小売に関する事は一通りそこで勉強させてもらって、超ハードな20代で、趣味と実益を兼ねてと言えば聞こえは良いですけど(笑)



30代は、結局その会社の社長と合わなくなり、退社して、その後は迷走ですね30代(笑)
仕事をずーっと趣味の業界でやって来て、今後また同じ業界に戻るのか一般職(サラリーマン)をやるのか、みたいなところで、行きたい業界も近場では無かったので一般職でやりつつ、ずーっとしっくり来ないまま、その頃は公共施設の施設管理とかをやっていて。
やっぱり趣味を仕事にしていると、ぶつかる相手も同じ趣味を共有しているから、ある意味話が通じる部分ってあるんですよね。
一般の社会にいざ入ってみると色んな年齢層の人や、色んな価値観を持った人とぶつかるわけですよね。
公共施設だと、当時30歳ぐらいで部下が60代とか70代みたいなところとか、自分自身の若気の至りとか、まぁ色々とありますよね。
その頃に、たまたま知り合いのツテで心理学の勉強会とか、そういうのも紹介してもらって、そこで5年くらい勉強してたかな?
自分の勉強にもなったし、良いか悪いかは別として、周りがよく観えるようになりましたね。
そういう中で3.11の震災が起きて。
その頃は、前にいた業界の展示会とかも手伝いに行ってたんですけど、ちょうど3.11が展示会の前日に起きて。
翌日、開催はしたんですけど、やっぱりそこがキッカケで、遊びの業界(趣味)に自分が本気で腹を据えて戻る所じゃないのかみたいな感じがそれからずっとどこかでしてましたよね。
結局その後も迷いながらキャンプ業界でsnow peak(スノーピーク)って会社に入って、店頭の売り場で仕事したりとかしてましたけど、やはり違うと(苦笑)
そして、同じころにカウンセラーの資格を取り、その会社も辞め、色々と考えつつ、社会的にも最近はメンタルの病気と薬の問題とかもあるので、そういう人達の薬を辞めるサポートみたいなことも手伝いをしてたんですよね。
でも、やってみた結果それも違うなと(苦笑)
30代中盤はそういうタイミングで、メンタル系のラインで行くのか、普通に一般職のサラリーマンをやるのか、いろいろと迷いながら進んでました。
そして、それと並行して農業っていうジャンルも勉強していて、結果、最終的にこっち(農業)に落ち着いたんですよね。
そのキッカケが、たまたま旅行した先でココ良いなっていう場所があって。



向こう(都市、街)に居ると、どうしても人、物、金が先に立つって言うと語弊があるんですけど、自分が立ってる場所に違和感を感じてなければそれらが先に立つのは当然だと思うんですけど、僕の場合は自分の居場所がどうにもこうにもしっくり来ない中、この社会人生活20年が過ぎ、やっぱり違うぞみたいな。
なんなら生まれてからずっとこっちに来るまで違和感があった、みたいな。
だから、僕にとっての農業は、この先を生きていく上での1つの選択肢だったんですよね。
僕の場合はどこに住んで、どこで死ぬかって言う方が重要だったってところがあって。
たまたま高知県に遊びに来てる時にここなら住んでもいいなって思える所があって、たまたま農業自体も興味があって色々勉強してて、それがたまたま重なったと。
先ずは自分が住んで、居心地が良くて、人、物、金を取っ払って、自分のパフォーマンスが1番出せるコンディションの良い状態でやれる方が、結果として何をするにも良いかなって。
だから、めちゃくちゃ農業をやりたい!ってやってる人とは感覚が違うかも知れないですけどね。

自然農法っていうやり方をしてるのは環境の為?

そうですね、まぁ単純に儲ける為で言ったら慣行栽培(現代農法)で生姜やった方が簡単にお金には出来ますよね。
農協(JA)が全量買い上げしてくれるので、その指示通りの内容で栽培すれば。
新規就農でやっていると、そうしなさいよって話はいっぱいもらうんですが、いやぁでもなぁって。
だったら都会でサラリーマンやってても一緒でしょ。
僕自身が子供の頃から外で遊ぶのが好きで、アウトドアの業界にもずっと居たので今から自分が野外でやる事で、これ以上世の中汚してどうするんだって。
そこだけじゃないですかね。
だから何とか農法やりたいとか、そういうのは全く無いですよね。



自然農法って一応言ってますけど、農薬、化学肥料、除草剤を使わないっていう前提があるだけで。
僕がやってるのは、どれだけ環境負荷を減らして、ちゃんとした作物を育てること。
ただ、どうしたら収穫もそれなりの量を確保できるかは考えます、そうしないと僕も社会的に生きてくための収益性の部分もあるので、そこは遊び事でやってるわけではないってそこは一本線は引いてますよね。

生姜ってもの凄い農薬を使う作物なんです。
まず一般的には土壌自体を消毒するんですよ。
要は土を無菌状態にするんですね、土から媒介する病気が1番大変なので、その為に薬剤打って土壌をリセットして飛ばないようにビニール張って。
ただ土壌細菌って、良いとか悪いって人間が決めてる事じゃないですか。
自分が植えてる作物に害があればこの菌が悪いって。
でも結局は土壌の中に元々居る菌だから、外の野ざらしの所(露地畑)で自分の所の畑だけ隔離して殺菌したところで、雨が降って水が流れてくるわ、風が吹けば砂は飛んでくるわで防ぎようがないじゃないですか。
結局、良いも悪いもなくて菌が0にリセットされてるから、悪い菌が増えたら悪いのばっかりになるし、善玉菌と悪玉菌じゃないけど、本来、双方が牽制しあって、悪い菌が爆発的に増えなければスポット的に病気が出る事はあっても、その場合は畑全体に広がる前に対処すればいいから、逆に無菌状態にしちゃうと良いも悪いも全て殺してしまうので、考え方によっては畑全体の免疫力が落ちますよね。

ただ慣行栽培(現代農法)の場合、一般的には同じ畑で繰り返し作られるんでそうせざるを得ないところもありますけどね。
僕の場合は畑を何ヶ所か用意して、毎年回して使うので1つの畑で年1作になるようにしてます。
それは無肥料だと、土壌の栄養を吸収して作物が育っているので、収穫後の土は明らかに弱ってますから、それを多少でもリカバリーするのに、作物を植えないで数年置いて、ローテーションしながらやる方法で行なっています。



なぜそこまで環境を気にするんですか?

嫌じゃないですか?
自分の居心地が良いと思う場所で、空気が汚れてるとか、水が汚れてる、土が汚れてるって嫌でしょ。
人としてどうとかじゃなく、動物として嫌じゃないですか。
こういうことは僕1人で直ぐにどうこうなる問題ではないと思ってるけど、誰もやらないより、誰も言わないよりはマシでしょ。
僕、物を売ってきたりとかバイヤーっていう仕事をして来てると、知らない人に知ってもらって買って戴く、結局ちょっと先、0.1歩でも先に行っていれば先に情報があって、それを伝えて良ければ納得して買ってくれるっていうのをずっと繰り返しやって来てるから、自分の生き方自体がそういう風なんじゃないですかね。
カウンセリングで薬を辞める事をやってても、人が何かをした事の後始末みたいな気がして、俺がやらなくていいんじゃないかな何か違うなと漠然と思いながらやってて。
僕にとって農業は理屈とかじゃなくて本能的な部分も入っているんじゃないかな。
人間って足があって動けるわけじゃないですか、だから自分の居心地の良い環境を求めて来た結果、こうなったみたいな。
だから僕の場合は、農業をしたくて土地を選んだわけではない部分が大前提としてあるんです。
生存欲求として、ココなら居ても良いかなっていうところが先ずは大事。
その前提条件の中で、ココをこれ以上汚さないように、自分の環境を快適に保つ為、そこで生きていく為に農業(仕事)をする。
それも都会でサラリーマンもさんざんして来たから分かる事であって、今後はこれまでとは違うアプローチで、何か環境のために、農業(仕事)を通じて出来たらイイかなっていう部分で今は動いてる。



自分の後に道が出来て、御大層に人がついてくるとは思ってないけど、そういう風にちょっとでもかき分けて先に行ってますみたいな(笑)
そういう役回りだと思ってます。
まぁ、実際のところやり出して面白いですよ、この仕事は常に自然を相手にしてますからね。

潮と空農園のこだわりとは。

自分が活動していく過程での環境負荷は可能な限り下げたいってことぐらいかな。
だから、こだわりっていうこだわりは、こだわらない事にこだわる事かな。
その時に応じて臨機応変に、必要なことはして、必要ではないと思うことはしない。
自然は常に変化してますからね。
ただ、自分で決めれる事は最低限決めますけどね、農薬使わないとか、化学肥料使わないとか。
でもそれってこだわりなのかな?
こだわりって言うより、とり決めとか、ルールじゃないかな。
だから、こだわりって言われても、よくわからないよね(笑)





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