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〜もう一つの海〜向津具ノ巻

下松市の次に向かったのが山口県の『長門市』
山口県北部の日本海に面したところに位置していて、本土に囲まれた深川湾・仙崎湾、向津具半島に囲まれた油谷湾などの入り江も存在し、天然の良港となっている。

今回は長門市の中でもさらに北西端にある向津具(むかつく)半島に向かいました。
自然の中からあらゆる糧を生み出す「Life artist」として、生活をまるごと豊かにできる 新しい時代の「百姓」を築き直し、ホンモノを追求し続ける『株式会社 百姓庵』さんにお邪魔してきました。



百姓庵では自給自足をベースとしてお米や野菜作りはもちろん、生活に必要な大工仕事も全て自分で賄うこだわり。
食べ物だけに気を取られがちだが、人間が生きていく上で最も重要な『塩』の製造・販売をメインに、無農薬有機栽培で育てた野菜などの加工品も販売している。
そこには『百姓』と聞くイメージとは全く違う、クリエイティブな空間で、田舎暮らしに憧れるようなお洒落で豊かな生活感が垣間見れた。











社会と付き合う上でお金は便利なツールだけどお金の為に使われるのではなく「お金を道具として使える人間」になりたいと話してくれた、百姓庵 代表取締役『井上 雄然(いのうえゆうぜん)』さん(45)にお話をうかがいました。



『株式会社 百姓庵』とは。

何でも作る人になりたくて。
「百姓」って百の姓って書いて100の仕事が出来る人という意味だから、そこを目指せば1番良いかなと。
僕自身がこういう暮らしをしようと思ったのは20歳ぐらいなんですけど、その頃に気付いたのが、現代人はお金がなかったら社会で暮らしていける力が無くなってるという現実はおかしいんじゃないかと思って。
資本主義の行く末は、いずれ崩壊するだろうというのを僕は20歳ぐらいの時に見えたので、そのレールから外れる為には何が良いか色々勉強していくうちに、昔の生き方に戻して出来るだけ『自分で作る力』さえ取り戻せばお金に依存しないでいい暮らしが実現出来るんじゃないかって。
23歳の時から自給自足の暮らしを始めたんですね。
ココで15年前からやってるんですけど、自分の自給的なスキルというのは身に付いて満足したんですけど、それと並行して子供も大きくなってきて、地域も変わって行く中で、1人自給自足をやってても仕方ないじゃないかとだんだん思い始めて。
WWOOFホストも去年まで14年間やっていて、移住して来るような需要も増えたんですけど、実際子供が出来たりするとみんな事情が一気に変わって。
学校も無くなりそうな所とか、遠かったりなど、将来の子育てに不安を感じて街に帰って働いた方が良いんじゃないかという選択になりがちなんですよね。
何組かはそういう理由で帰ってしまって、こりゃいかんなと。
もうちょっと不安を与えないで大丈夫なように僕らがサポート出来る力が欲しいということで、今年1月に法人化したんです。
会社っていうのを僕はずっと誤解していたんだけど、意外と良いもので。
会社って共産主義なんですよね。
会社の中は言ってみたら1つの「村」みたいな。
今は会社の中に各セクションの職人を育てていって、行く末は職人集団の会社にして自給自足を目指した会社を作ろうと。
地域を守るためにも力を蓄えなきゃいけないし、自給力のある力だけじゃなく、外貨を稼げる力も必要だし、それを個人でやるより組織でやった方がたくさん生産も出来るし、より技術の高い物を作れるので会社にしました。



なぜ『塩』なんですか?

バイクで九州1周して屋久島まで行った時に、たまたま天草で出会った塩屋さんに塩作りを見せてもらったのがキッカケで。
その時に塩の大切さとかも聞いて。
確かに自給自足を目指しているのに、1番根底でもある大事な塩には気付いてなかったんですよね。
米、野菜、大豆、雑穀とかその辺があれば生きていけると思ってたけど、塩がないと生きていけないんですよ。
空気が無かったら人間は3分で死にますよね。
水と塩、どっちが欠けても1週間もたないんです。
でも食べ物が無くても水と空気と塩があれば1ヶ月は生きれるんですよ。
っていうことは優先順位がどちらが高いかで言えば圧倒的に塩なんですよね。
水は取る事は出来ても作る事は出来ないので、塩は絶対に作らないといけないなと思って。
それで全国周って。
ハイエースにベッド積んで旅しながら良い所がないか海岸線を見て周ったんです。
東北は雪が降るのでその間は農作物も作れないし、塩も作れないので行かなかったんですけど、それ以外の本土は全て周ったけどなかなか良い所が無くて。
僕山口県出身なんですけど、その頃は外ばかり見てて、山口県を全然見てなくて。
たまたま友人が教えてくれたココに来たら「まだこんな残された場所があったのか」と。
後から地図を見て解った事なんですけど、自然が豊かで良い塩を作れる場所は高知と秋田とココしかなかったんです。

海を見てどういう基準で良い塩を作る場所を探すんですか?

まず大事なのは『森』なんですよ。
植林されていない豊かな森があること。
川があること。
閉鎖域があること。
汽水域(きすいいき)っていうのは閉鎖された場所があると「森の栄養」がいっぱい入って美味いんです。
森の栄養がいっぱい来てる所にしか海草って生えないんですよ。
要は、森の栄養が海草とか植物性プランクトンとかも養っているんです。
そして塩の味が1番変わるのは『雨』なんですね。
雨量が多い後には森の栄養が川をつたって流れてくるので、梅雨明けの自然海塩は旨味が強いんですよ。








みんな普通、陸から海を見るじゃないですか。
でも実は『海が陸を養ってる』っていう見方があまり気付かれてないんですよね。
海が蒸発して雨が降り、雨が森から栄養を蓄えて海に持ってくる、そしてこれを遡上(そじょう)する魚達がまた森に返すんです。
海に出て、川に戻る魚達が海のミネラルを森に戻して、森の動物に食べられ循環してたんですけど、残念ながら今は護岸工事などでさえぎってしまって森がだんだんと痩せてきてる傾向に。

塩の賞味期限はあるんですか?

塩っていうのは実は『食品ではない』ので賞味期限はないんです。
塩の管轄は『財務省』なんですよ。
昔から塩は貴重な物で、どこの国でも財務省が管轄してるんです。
歴史が始まって以来、ずっと権力者の隣には塩があるのでどこの国でもまず権力者は塩を抑えるんですよ。
ヨーロッパでも塩を抑えて、抑えようとした事に反発して『フランス革命』は起こってるし、塩の語源から出来てる言葉が『サラリー』ですから。
給料の代わりに塩をあげてたのがサラリーで、塩っていうのは凄く貴重で昔は『金と同等』だったんです。
当時は貴重な塩を運ぶ際に盗賊に襲われてしまうので、盗賊から塩を守る兵士のことを『ソルジャー』と呼んだんです。
そういう風に、塩が由来の語源が今日に来てて、塩は昔から大事にされていて政府は手放さなかったんですね。
1971年に塩業近代化臨時措置法っていうのを国が作って、それまで3000社あった塩屋さんを全部潰して、NaClという『食塩』と言われるイオン交換膜で作った塩以外は製造販売禁止という法律を作って。
それまでは今僕らが作っているような『自然海塩』というのがあったんですけど、それを全部潰して出来たのが工場地帯です。
太平洋ベルトが出来た所は塩田で、塩屋さんが居た所を全部潰して工場に変えて、工業用に必要な塩(NaCl)のみに。
NaClが作れたので最初にイギリスが産業革命を起こせたんですよ。
NaClしか要らないんですよ工業用には。







その法律が出来て、でも解禁になったんですか?

解禁になったのが平成9年ですね。
インドのガンジーが1番大きな仕事をしたのが『塩の大行進』をしたんですよ。
塩を民間でやらせろっていうデモ活動をしたんです。それでガンジーの名が知れ渡ったんですよ。

僕けっこう塩で講演会とか回っていて、塩のこと知られていないので話さないといけないなって。
塩っていうのはどんだけ身体に必要かというのもほとんど知られてないんです。

井上さんが作っているジャンルの塩は何ていうんですか?

『自然海塩』っていうジャンルになるんですけど、公正取引委員会が出来てから今はその用語を使っちゃいけないようになってるんですよね。

自然海塩と食塩を見分ける方法ってないんですか?

自然海塩という表現はダメになったんですけど、裏の表記が義務付けられて『工程』っていうのが入るようになったんですね。
そこに『天日平釜』とか『平釜』って書いてあるのは基本的には自然海塩です。
大手の食塩は『縦釜』とか『真空釜』『イオン交換膜式』などが書いてあります。
もしくはメキシコの塩とかオーストラリアの塩を再製してますって。
それともう1つ大きな違いとして『天地返し』っていうのをしてるかで違うんです。
これは工程とかに記載されていないので塩屋に聞かないと分からない事で。
塩っていうのは、4段階で組成の違う結晶が出来るんです。
1番下に沈むのは『カルシウム』が多い結晶、その次に『ナトリウム』が多い結晶でこれが1番量が多いもので。
その次に『カリウム』、最後に『マグネシウム』が多い組成の塩って4種類が出来るんです。
『岩塩』はそのままが地層になった物で、ナトリウムの層からしか採掘しないんです。
ナトリウムの層以外はしょっぱくないんですよ。
ナトリウムが溶けた瞬間、イオン化してしょっぱい味が出るので。
天地返しっていうのは、この4つを混ぜるという作業のことで、これをしないと『海と同じ組成の塩』にならないんです。
海と同じバランスの組成に戻した物を摂るのが身体には1番良いので。
血液を作るのは塩なので、いくら良い物食べてもベースが良くないと。
全ての命の源は海から始まってるから。





人間の内側は海なんです。
その海を守っていく為に良い水と、良い塩を摂って、常に綺麗な体液を作れたら健康がずっと続くと。
ミネラルが欠乏した状態が、病気が発病する時で、今は毛髪検査でも何のミネラルが足らないとか解る時代なので。

ただ海水と僕たちの体液の中で1つだけ大きく違うのがマグネシウムなんですよ。
海水の方が僕たちの体液と比べて13倍多くなってるんですよ。
マグネシウムって便秘の人がよく使う下剤に使われるんですね。
だから海水を飲むと出てしまうから脱水症状を起こすと。
漂流して海水を飲むと下痢を起こすから、脱水症状で寿命を縮めてしまうので、それを防ぐ方法として3倍に真水と薄めて飲むっていうことをしてたみたいですよ。
なので塩屋っていうのは、海水のバランスに戻してあげるというか、マグネシウム分を抜いてあげるのが塩屋の仕事で、飲めない海水を飲めるようにする、体液に1番違い塩を目指してるのが僕は塩屋として正しいと思ってて。
もともとは環境問題から始まってるので、環境を良くする為に何をしたら1番良いかなって考えたら、僕は自然の中で極力百姓になって何でも自分で作る暮らしを『人に魅せる』ことが1番早いんじゃないかなと。
当時ぼくサラリーマンだったんで、傍らで環境問題言ってもなんか説得力ないなって。
暮らしの中で魅せて、これが答えだよという暮らしをしていくことが1番良いなと。










『百姓庵』のこだわりとは。

大切なのはやっぱり僕は自然だと思っているので、自然を出来るだけ残せるような事に繋がる、要は『自然を護れる事に繋がる』ような事をやっていきたなっていうのがこだわりかもしれないですね。
ただビジネスがやりたいんじゃなく、ビジネスの延長線に、その仕事をやると自然が護れるってことがしたいです。
僕がなんでまた荒れてきた所で農業一生懸命やりたいかって言ったらチャンスだからなんです。
この地域を全部オーガニックにしたいので。









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〜朝露に魅せられて〜下松ノ巻

ベジタブルジャーニー26県目、本州最西端に位置する山口県に入りました!
向かったのは山口県の東南部に位置する『下松市』。
山口県下松市の山間部で「安心して日常的に使える野菜」をモットーに、農薬・肥料を使用しない野菜を育てている『田中野菜』さんにお邪魔してきました。
お話をうかがったのは田中野菜代表『田中 友紀(たなかゆうき)』さん(35)。

ベジタブルジャーニー記念すべき100件目の農家さんですp(^_^)q



もともと東京出身の田中さん。
いずれは田中さんが作る野菜が地方野菜のように【田中野菜】としてお客さんに認知されるよう願いが込められ名付けられた農園名。

東京出身でなぜ山口県で農業を?

大学生の時に語学留学で1年間ニュージーランドに留学してて、向こうの自然が凄く豊かなので大好きになっちゃってニュージーランドで働こうと思ったんですよね。
日本に帰って来てからニュージーランドと1番関係のあるフルーツ商社に入社して、キウイフルーツの取り引きとかをやってたんですけど、このまま転勤になってニュージーランドに住めるなと思ってたんですが、仕事があまりに大変すぎて退社することに。
その後に某携帯会社の派遣社員をやってたんですけど、海外に行きたいなと思いつつ働いていました。
ニュージーランドだと4時くらいに仕事を終えて、その後サマータイムだから21時くらいまで明るいのでサーフィンやったりとか、遊びに行ったり、バーベキューやったり。
「あぁ豊かな人生だな」と思ったんですよね。
そういうのに憧れてたんですけど、前の会社を退社したから目標だったニュージーランドには行けなくなっちゃったのでどうしようか考えてて。
色々と考えた末、自分は自然が好きだったので国立公園のパークレンジャーになろうと思って、オーストラリアの専門学校に入学したんです。
オーストラリアに居た時にホームステイしてた隣の家がドイツ人のオーガニックファーマーで、1年間毎朝アルバイトで手伝ってたんですよね。
そこで収穫する『朝』が凄く好きで。
太陽が登って来て、朝露に濡れた野菜を見て空気が澄んでるし、シーンとした中で収穫していく事に凄い毎日癒されてたんですよ。
「あぁこんな仕事もあるかな」って、そこから農業も悪くないなと思い始めたんですよね。
日本に帰国して当時の彼女(現奥さん)に農家になろうと思うって言ったら「良いね」って言ったので、僕は実家が東京なんですけど彼女が山口だったので、畑ならいくらでもあるからっていう事でこっちに来たっていう感じですね。
やっぱり朝の収穫が大好きなんです^ ^
すんごい静かで、まだみんな動き出してない空気も澄んだ空間を独り占め出来る感じが凄く好きなんですよね。



実際に農家になった今でも同じように感じますか?

同じですね。
やっぱり農家はキツくて、腰痛くなったりめちゃくちゃ忙しくなったりもしますけど、その景色に癒される瞬間がたまにあるんですよ。
そうすると凄い満たされちゃいますね。
あぁ良かったな農家でって。



前にオーガニックファーマーのblogを見てた時に、そこに来てたフランス人のオーガニックファーマーと話してて「オーガニックの魅力は何だろう」って話題になったらしいんですね。
そうしたら『豊かさだ』と。
オーガニックは単に豊かさに尽きる。
もちろん健康とかもあるんでしょうけど、オーガニックの物を食べるという豊かさだったり、作るという豊かだったり。
身体に良いとか、個性的な味がするとか色々言いますけど、やっぱりそれを食べた時に色んな要素を含めて『豊か』に感じれる野菜がオーガニックだったり、自然栽培だったら良いなと思いますね。

田中野菜として、今後はどのようなビジョンを。

まだ自分が何もなかった時に、この下松市の役所の方とか農家の方々が色々と助けてくれたりお世話してもらって今が成り立っているので、いまは耕作放棄地も増えて来てるので少しでもそういう耕作放棄地の解消に役立つような、若い人とかがもっと農業をしてもらえるような農家のモデルになりたいなと思ってます。
けどその為には生活がもっとしっかり出来るようにならなきゃいけないなっていうのは常に意識はしてますね。



農業をやるなら慣行栽培が一般的ですけど、なぜ手間も時間も掛かるオーガニックを?

留学中のホームステイ先で、自分のガーデンを作って何も入れないでルッコラを植えたんです。
そのルッコラが肥料とか入れてたドイツ人の物と味が全然違って、すげーシビれたんですよ「うわー美味い」て。
やっぱコレなんだと思って、自然栽培にしようと思いました。

田中野菜のこだわりとは。

やっぱり『健康な野菜』をお客さんに食べてもらいたいなというのが1番のこだわりですね。
自然栽培って実際腐らなかったりするけど、有機栽培の迫力に負けたりするなと僕は思ってるんですよ。
それが悔しくて、何か悶々と今もしてるんですけど、何がこの野菜の特徴なんだろうってずっと模索しながらやってるんですけど。
最近、隣町の病院でそこは癌患者とかパーキンソンとか抗がん剤治療をしませんって人達が全国から集まってる病院なんですけど、そこの院長先生と波動測定をする人が居てその人が先生とタッグを組んで良い野菜を探しましょうっていう事でうちの畑に来てくれた事があって。
レヨコンプ10っていうドイツの医療機器があって、振動数を測る事でいかに細胞が活性化しているかを測定できるものらしくて。
例えば細胞の振動具合が弱いから病気になりやすいとか、ドイツでは医療として認められてる機械らしいんですけど、その機械を野菜にも応用できるらしくてどれだけ細胞が活性化してるかを調べられるみたいで。
それでうちの野菜を調べてもらったら、全てのミネラルが存在していると言うより『生きたミネラル』がいかに野菜の細胞として入っているかの数値が他の野菜の2倍以上があるって色々調べてくれて、その病院で野菜を使いたいって言ってもらえて。
でもうちそんなに野菜ないから出せないんですけどね。
でもやっぱり何か違うんだなっていうのは思いましたね。
なのでせっかくうちの野菜買ってくれるお客さんには健康になってもらいたいなと思っています。



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