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〜繋ぐ価値観〜明日香二ノ段

昨日の明日香ビオマルシェ4周年の抽選で当てた自然栽培米を育ててる方が、埼玉県出身で奈良に移住して新規就農したという事でお話を聞きに行く事に。
たるたる農園さんと共に明日香村を盛り上げる事に貢献している稲作農家『minimal life(ミニマルライフ)』さんにお邪魔しました。

この日は稲刈りの日。



作業の合間にお話をうかがったのはminimal life代表『瀬川 健(せがわけん)』さん。
ベジタブルジャーニー87件目の農家さんです^ ^



栽培方法とその考え方とは?

僕は自然栽培っていう無肥料でやっているから、反収(1反の収量)が慣行栽培だと600kgとか言われてるんだけど、少なく見積もってもだいたい300〜350kgと一般の半分くらい。
例えば米ぬかだったり、レンゲとかを活用したりすると反収が上がったりするんだけど、基本的には何も施さないで作るってやり方でやってます。
天日干しも『はざかけ』とか『だしかけ』って言ったりするんだけど、明らかに味が違うと思うし、地元のおばあちゃんとかも「これが美味しいんだよね」って言ってくれたりするから必ず違いがあると思ってやってます。
天日干しの掛け方も地方によって違うみたいで、地方のやり方呼び方があるんだよね。
種は自家採種100%でやってます。





どんな品種のお米を育ててるんです?

『コシヒカリ』と『ヒノヒカリ』の2種類です。
これはコシヒカリ。
この地方だとヒノヒカリっていうのが奈良県の推奨米で、もともとは九州の品種らしいんだけど奈良の気候に合うってことでこっちに持ってきた人がいるんだよね。

農家になろうと思ったキッカケとは?

前職が静岡でファッション雑貨の営業をやっていて、ネパールとかタイで手作りの可愛らしい雑貨を東京の名高るメーカーとか大手に営業してたんだけど、結構大きな会社を相手にしてたから残業も長かったし、お客さんに買ってもらった商品を来年また使ってくれてる人ってどれくらい居るのかなって思った時によっぽどじゃない限り皆無なんじゃないかなと思って。
その時34歳ぐらいだったんだけど、結婚もそろそろしようって時にそんな事を考えていて。
そこから僕らがやってる大量生産と消費の関係性とか、日本だけじゃなく世界の現実バランスみたいなものを掘り下げて考えるようになった時に、これは不安でしかないなって思ったら、じゃあ何したらいいんだろうって振り返った時に、嫁が食べ物に気を使うタイプだったからそこに気持ちとして応えたいっていう衝動があって。
そこから色々調べて自然農の福岡正信さんを偲ぶ会みたいのが渋谷であった時に参加してみたり、その時に『野口種苗』の野口さんの種の話を聞いたりとかして、ちょうど木村さんの奇跡のりんごとかもあったし、食べ物を自分で作ると言うよりかは生きる術っていうかシンプルに『生きる』ってどういうことか。
どういう知恵、力を身に付けたいかを考えるようになったのが農家になったキッカケかな。



農園名にはどんな想いが?

minimal life(ミニマルライフ)っていう屋号は、ミニマムとかミニマルってほぼ似たような意味合いなんだけど『最小限』っていう意味で。
音楽も好きだったからミニマルミュージック、ミニマルアートとかも好きだし。
『最小が最大』みたいな事とも言えるのかなと思ってて。
最小限で生きるのを模索するっていうような考えとして、農業は1つのツールだけど『生き方』としてミニマルライフっていうのを推進して、自分で築いて行きたいなって想いですね。







minimal life(ミニマルライフ)のこだわりとは?

基本的には『種』を気にすると言うか自家採種を続けていく。
もう僕たちだけの世代の話ではないから、やっぱり次の世代に引き渡せる考えとか知恵っていうのを自分で学び高めていく事。
ザクッとしてるけどそれが自分の中でのモチベーションになっていて、インターネット販売は一切してなく、そこに理解をしてもらう為のマルシェだったり対面販売だったり。
あんまり不安材料ばかりの情報を煽って買ってもらうのも嫌だしそれで生きてくのも辛いから、たるたる農園なんかともよく話すんだけど、一緒に楽しめて表現して行くところを作ってくみたいな。
文化の継承じゃないけど、そこまで重くならないようにはしたいし、僕らの価値観の中でそこを楽しめるようなものと、今までずっとやってきた歴史あるものを融合するような部分で繋げて行きたいなと思ってます。





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〜生きる事を考えること〜明日香ノ巻

ベジタブルジャーニー19県目の奈良県に入りました!
向かったのは奈良県明日香村。
奈良県の中央部付近に位置し飛鳥時代の宮殿や史跡が多く発掘されていることで知られる村。

毎週金曜日に開催される無農薬、有機栽培で大切に育てられた野菜などが集まっている『明日香ビオマルシェ』に向かいました。







この日は偶然にも明日香ビオマルシェ4周年。
抽選チケットで運を試すと。



大当たり!



自然栽培のお米2kgを頂きました!



実はこのマルシェに来た理由は、和歌山編で何度か話に聞いた『たるたる農園』さんに会う為でもあったのでご挨拶に。
次の日にお話をうかがえる事になりお邪魔して来ました。



ベジタブルジャーニー86件目の農家さんは、自然農法で少量多品種生産している、たるたる農園代表『樽井 一樹(たるいかずき)』さん。



明日香ビオマルシェはいつから?

昨日で丸4年になるんですけど、もともとはマクロビオティックの料理人さんがオーガニックの食材にこだわってた店があって、そこのお客さんが店で扱ってる野菜が美味しいから買える所はないのか?っていう事で、そこの店が仕入れてた野菜農家さん中心にマルシェやってみないかって、僕が1番就農して長かった事もあり代表になって始まったのが4年前ですね。

週末ではなく金曜日にやっているのは?

週末にやらないっていうのは、普段の家庭の食卓に上がるお野菜をオーガニックで提供したいっていう事で。
明日香村っていう場所柄もあって観光客とかも来るんですけど、言うたら一見さんになりますよね、そっちの方が集客は見込めると思うんですけど、その場その場のイベントっぽくなって行くんじゃなくて、農産物を売っていきたい知ってほしい、そしてリピートして欲しいっていうような事で平日チャレンジしてみようって始まったんですね。

言うたら田畑なんて沢山ある地域ですからオーガニックだからと言って普通の直売所より価格が高めで、見た目も虫食いがあったり。
新鮮なお野菜なんて当たり前って地域でお客さんが来てくれるのか?という思いがあったので、大阪の方とか奈良でも住宅街のお客さんをと思って、そっちのお店とかにチラシも配ってたんですけど、いざ蓋を開けてみると意外と明日香村周辺地域であったり、ココから40〜50分ぐらい掛かるような南部の所からも毎週のようにお客さんが来てくれてると。
結構オーガニックを求めてる人が散らばっていて、その人達がお買い物できる場所って言うのが結局無かったんですね。
小さいお子さんを持ったりとか、妊娠してとかっていうママさんが多いですかね。
主婦層の他にも料理人さんが朝一に買い付けに来てくれてたり。
変わったカラフルなお野菜はどう使っていいか分からないってことで一般の主婦の方は初め、あまり買わなかったので料理人さんが積極的に買ってたんですけど、今は主婦の方もそういう野菜をどんどん求めるようになって来てるなっていうのは実感としてありますね。



樽井さんの農法は自然農法。

僕の自然農法のくくりとしては、何も入れないという事ではないです。
出来るだけこの場で見える範囲のものは漉き込んだりしてます。
例えば土手の草だったり、作物から出る残菜とか。
土手も含め、ここで生まれた命を巡らす事で、次の命が育って行くような『命巡る田畑』みたいなものがコンセプトですね。

農繁期はいつくらいですか?

6、7月ですかねぇ。田んぼもやってるんで田植えの準備、田植え、夏野菜の植え付け、仕立て、収穫。どれもが重なるので。
個人的には7月半ばぐらいかなぁ。
河内音頭の音頭取りを3年前から始めてて、これは盆踊りの唄を歌う人の事ですね。
僕の中では農業と全然関係ないってわけでもなくて、これも仲間とやってる事なんですけど『田植え祭り』っていうイベントをまだ2回ですけど僕らでやっていて。
『明日香盆唄』という今はあまり唄える人も少なくなったっていう明日香村の民謡があるんです。
それを唄ってもらって、みんなで踊ったり一緒に唄いながら田植えしたりとかそういうイベントをやったりしてるんです。

農作業って単純で退屈だったり、同じ姿勢でしんどいとか、それをちょっとでも楽しもうと『仕事唄』を唄いながら何かをしたり、農作業だけじゃなくて蚕から糸を紡ぐときにも唄があったりとか。
明治になって外国からたくさん日本に人が入ってきた時に、日本人は仕事をしてる時はみんな唄ってるんだなみたいな話を昔聞いた事があって。
唄いながら田植えっていうのは当時、日常に1番根ざしてる、年に1回のビッグイベントになってて、その時に出会いの場だったりとか、全員総出で参加しながら、それぞれの役割りで唄を唄いながら、踊りながらの田植え祭りというのが昔はあったと。
そういうのを友人で研究してる人が居て、大和高原でまだ残ってる田植え唄を発掘して来て、みんなで唄いながら田植えしたりっていうイベントを現在やっています。
今風にアレンジしながら最終的には明日香村の『今の田植え唄』っていうのを復刻しつつ、それを年に1回だけじゃなくて唄い、踊りながら田植え体験や稲刈り体験をしたり、昔は休憩の時には『さなぶり餅』っていう小麦を使ったお餅を突いて食べたり、消滅しかかってる伝統的な農文化というのを掘り起こして、今風にアレンジして体験してもらことを事業化して行こうと思ってるんですよ。
農業以外にも芸の道っていうのに触れながらそういう所に活かして行ければ良いかなと。



農家になった理由とは?

大学出て、6年間くらいベンチャー企業でサラリーマン生活して、理由も1つじゃないですけど。
1つは老人医療に関わるコンサルティングっていうかなりニッチな仕事をしてたんですけど、高齢者や、特に終末期っていうような人が、入院医療じゃなくて自宅に帰って療養する、もしくは最後は畳の上で死にたいみたいな人のとこにお医者さんをアテンドするという病院の中でそういう部門を作ったりだとか、開業する病院の先生に在宅医療専門の支援をしたりとかっていう中で、患者さんを始めご家族との関わりがあるような仕事で。
そういう現場を見てきて、もうちょっと積極的に『生きる』という所に寄与したいなと思い、自分もそういう仕事したい事と、もう1つは医療というものが世界で1番お金が動いてる世界なんですよ。
人の命に関わる事が1番のビッグビジネスで、それの闇の部分と言うか。
製薬会社が片方で食品添加物を作りながら、片方でそれで病気になった身体を治す薬を作るとか。
そういう矛盾した闇の部分とかも目に入ったりして色々考える事があったし、今の資本主義経済っていうのがだいぶ末期的な所に来てるんじゃないかなと思うところがあって、業界の中で成功してのし上がって行くんじゃなくて、何か次の世代の僕らが生きてるうちに変わるであろう社会の価値観みたいなものを、どんなブームが来るんだろうなっていうんじゃなくて自分達がある程度作って行かないといけないんじゃないかなと。
それには自然の地に足ついた生活ってとこにもう1回立ち返って組み立てる必要があるんじゃないかなと思ったりして、そう思うキッカケになった映画が『ガイアシンフォニー』だったりとか色んな本を読んだりになるんですけど、色んな事が積み重なって、父親が急に倒れて死んでコップの水が溢れるみたいな感じで何か生き方を変えたい。
自然に関わる仕事がしたい。何が出来るかなって考えた時に農業。
オーガニックの農業っていうような感じで会社を辞めて。



数ある農法の中からオーガニックを選んだ事について。

まずは環境問題って事が言われてた時で僕も関心があって、地球の中で人間が癌細胞みたいな存在になってしまってる。
その時に読んだ本で、人が関わる事によって生態系が豊かになっていく森があったりとか。
例えば、ココの畑に僕が手を入れる事によって綺麗な土を作る事が出来ればココに降った酸性雨が綺麗な水になって川へ流れて行き、海に循環していくっていうような、人が関与する事によってそこの自然が豊かに綺麗になっていくって事が人が関わってても出来るんだっていう農業をしたいなと思ったんです。

始めは自然農の川口さんの所に学びに行ったりして不耕起栽培で3年ぐらいやったりしてたんですけど、まぁ収量が全然で作業に見合って来ないと。
じゃあちょっと耕して肥料も入れてみるかと言うことで、いわゆる有機農業をやった時期もあったけど、やっぱり出来てくる物がなんか納得いかんと。
という事で、炭素循環農法っていう理論で仲間もやり始めた所があってその要素をやってみようかって初めて耕してた自然農法で成功したのがニンジンやったんですよ。
それキッカケで今では100%肥料っ気を入れない自然農法で切り替えて3年ちょっとかな。
それが出来るようになったキッカケっていうのが、和歌山の橋本市にある「ゆの里温泉」
あそこに行って社長さんに水の仕組みのお話を聞く機会があって、それを聞いて今まで僕たちが教科書で学んだH2Oとは違う水の仕組み。水=命の仕組みを聞かせて頂いてどんどん出来るようになって来たんですよ。



自然農法でもなぜ野菜が出来るのか納得が入ってくるようになったんですよ。
その理論がすごく命の法則みたいなものの本質を突いてて、今の水の研究っていうところの最先端を学べるポジションに居て、しかもそれを実践出来る場があるというので、これは楽しいなってとこはありますよね。

具体的に言うと、そこのゆの里温泉には3種類の水が湧き出てて。
『金水』『銀水』『銅水』って言うてるんですけど、金水は温泉じゃなく地下水で、凄い大きな岩に閉じ込められてる水なんですね。
その閉じ込められた時期と言うのが地球上で命が生まれ始めた時に何らかの地殻変動の理由で閉じ込められた水で、非常に安定してるフラットな水っていうものなんです。
銀水っていうのは温泉なんですけど、また違う機能がある。
銅水っていうまた違う源泉から出てる温泉もある。
これが何年かおきに発見されるみたいな感じで、その水が凄く安定してるってことで世界的な水の研究をされてるアカデミックな大学の教授がココの水が凄いってことで、ココの水を使って研究をさせてくれって研究が始まったのが15年くらい前で。
そこからブルガリア人の神戸大学の名誉教授チェンコバ先生という先生が、水をH2Oとして見るのではなくて、水の結合の仕方によって水の機能っていうのが様々あるという。
これが「アクアフォトミックス」っていう研究分野で、光を当てて水の構造を見るという分野なんです。

たるたる農園のこだわりとは?

自然農法とか農産物っていうのは1つのツールではありますけど、基本的には人と人とが繋がっていく明日香ビオマルシェと言う場であったりとか、僕が作ったお野菜を通して人が笑顔になって繋がっていく、というようなキッカケになってくれればいいし、そういう場であったり「時間」というのを出来るだけ多く「演出」していければ良いなと思ってますね。



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