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〜パーマカルチャーデザイナーが手掛ける農業〜佐久ノ巻

今回は、ヨーロッパ生まれのパーマカルチャーデザイナーが手掛ける農業の技術面を主に取材しました。

長野県佐久市、標高1000mの山の中で、フランス野菜を、フランス風に、フランス料理の為にパーマカルチャーで自然と調和した営農をされている「Le Potager des Cerfs(ル・ポタジェ・デ・セル)」

フランスと同じ手法を使って、本物のフランス野菜やハーブを育てています。

是非ご覧下さい。

 

 

 

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〜農業はアート〜千曲ノ巻

次に向かったのは、長野県北部に位置する『千曲市(ちくまし)』。
養蜂で集めた純粋蜂蜜に自家焙煎珈琲、自然野菜直売所兼カフェ『ひふみや』を経営しつつ、西洋野菜を中心に無肥料無農薬栽培を貫ぬく『ずくなし農園』さんにお邪魔してきました。











お話をうかがったのは、veggies&honey cafe ひふみや、ずくなし農園代表『中村 真仁(なかむら しんじ)』さん(44)。
ベジタブルジャーニー135件目の農家さんです^ ^



セルフビルド的に建てられたカフェは2018年3月21日に仮オープン。
現在はドリンクを中心に、今後は自家製野菜を使ったランチなども提供していく予定だ。









生い立ちから現在までの流れとは?

もともとは大分県の佐伯市っていう港町に生まれて、高校生までは地元で。
あんまり勉強もしなかったし、ちょっとはみ出しそうな人生を送りそうな時もあったんですけど(笑)
スケボーをやってたので、東京に憧れて。
就職するなら東京と思ってたけど、就職先が2つしか無くて、それでも行きたかったから1つ選び、3年そこで頑張って、その後スケボーやってた事もあってスノーボードにハマって。
北海道へ行ったりニュージーランド行ったり。
そこで知り合った日本人の友達に、長野で仕事があるよって事で長野県に来たのがこっちへ来たキッカケですね。
北海道へ行った時もbarとか、ニュージーランドへ行く時もレストランで働いたり、飲食業界は好きだったので高校の時からずっとバイトとかもしてて。
いつかそういう仕事もやりたいと思っていて。
オリンピック(長野)の時に30歳近くなって、そろそろ周りも進退を決め始める時期に来ていたので、僕もどうするか考えた時に、もうちょっとスノーボードやりたいなと思って仕事やりながらスノーボードが出来る環境を探した時に、長野市で住み込みのバイトがあって。
それは普通の工場だったんですけど、しばらくしてその会社が潰れたりして、再び人生を見つめ直す時期が来て、住み込みだったから家も無くなったんでね。
それで、たまたま古民家が不動産に出てそこを借りたんですよ。
そしたら大家さんがリンゴ農家で、畑も付いてて「リンゴやらねぇか?」みたいな感じで畑を教えて貰ったりしてて。
なんか農業イイなって。

もともとスノーボードも自然のフィールドでやるスポーツなのでそういう事も好きだったのもあったと思うんですけどね。
その頃にちょうどアフリカの楽器(ジャンベ)にハマって。
それでアフリカへ行ったりして。
発展途上国だったので色々と環境に対して日本との違いを見せつけられてね。。。



そういう事もあって、農業(現代農法)に対しても疑問が出てきて。
リンゴとかは特に農薬バンバン使うし。
せっかくやるんだったら無農薬で、環境に負荷の無い農業をやっていかないと、行き着く先が危険だなと思って。
もともと飲食業をやりたいって気持ちもあったので、その問題解決をしつつ飲食業をできないかなって。
それで最初にカフェを始めたんですよね。
内容もオーガニックで、東京のカフェスローっていう環境NGOがやっているところと提携したりして、面白い人達が来て、地元の人や何か面白い事やっている団体の人と交われる場所を長野市で作って。

それを4年間やってたんですけど、東日本大震災があって、また考えるところがあって。
ちょうど嫁さんと結婚式を挙げるところだったので、震災をキッカケに自分達のライフスタイルも考えて、農業をやりたいのにいつまで経っても街の中でカフェをやってても農業は出来ないので、これは考え直さないとなって思って。
嫁さんの実家が千曲市で、こういう風景を見た時に「あぁ、ここでやれば良いんだ」って思って。
それで長野市でやっていたカフェを辞めて、今度は農業をやり始めて。
いつかまたカフェをやりたいなっていうのがあったので、今また始めたところですね。
農業をやりながらカフェも経営するという新たなチャレンジです。





農業研修はどこかでされたんですか?

僕ね、結局行かなかったんですよ。
カフェでオーガニックを扱っていた事もあって、オーガニック農家さんとのお付き合いが多かったから、逆にそれが良かったんですよね。
色んな人の、色んな農法の話を聞いて、あんまりこだわりを持たなかったので。

農園名の『ずくなし』とは?

ずくなしって長野の方言で『怠け者』って意味で。
忙しい世の中とか、農薬を使って効率を図るようなところから脱却するっていう意味があって。
怠けて楽をしようという意味ではなくてね(笑)
長野の方言的には、悪いイメージがあるんだけど、逆にマイナスをプラスに変える反骨心もあるんですよね。



ずくなし農園のこだわりって何かありますか?

基本的には肥料を入れない無肥料。
無肥料って言葉もあんまり好きじゃないんですけど、人が何かをやるとあんまり良い事にはならないっていう。
なるべく手を掛けない方がより良い物が出来る。
人が出来る事って限られているし、逆に人がやればやるほど社会もそうですけど、おかしな方向に行くというか、自然から学ぶ事ってすごくあると思うし。
それを尊敬するというか、感謝しつつ、出来る限りの事をするってところですかね。
最近やってて思うのは、何かに縛られて生きるんじゃなく、農業も自由に自分で作り出す事ができる、『アートと一緒』だなと思ってやっていますね。





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〜自分に還る場所〜安曇野ノ巻

次に向かったのは、長野県中部に位置する『安曇野市』。
北アルプスの山麓、信州安曇野の森の中に建つセルフビルドの宿とレストラン。
自然農の畑で自給自足と農的暮らしを営む『舎爐夢(しゃろむ)ヒュッテ』さんにお邪魔してきました。



シャロムヒュッテは今年で創業39周年。
今シーズンより先代の臼井健二氏より経営を引き継ぎ、新しいチームとしての再出発となります。



お話をうかがったのは、右から「安曇野パーマカルチャー塾」の運営メンバーの1人として活動もしている、シャロムヒュッテ共同代表『村上 毅(むらかみ たけし)』さん(43)。
同じくヨガや瞑想を専門とするシャロムヒュッテ共同代表『山崎 大(やまざき だい)』さん(34)。
シャロムヒュッテ農部門『小林 浩子(こばやし ひろこ)』さん(35)。
ベジタブルジャーニー134件目です^ ^



シャロムヒュッテとはいったいどんな所なんですか?

(村上さん)
シャロムヒュッテは作られてから来年で40周年なんですけども、『臼井 健二』さんという方が創業者で、彼は隣町に『シャンティクティ』という拠点があるんですね。
39年前の創業当時、臼井さんはここを全てセルフビルドで作ったんです。
廃材を使ったり、天然の自然に還る物をベースとして、1人の大工と8人、自分達で全部作った場所なんですね。
39年の間には、最初ペンションとして経営していたんですけど、途中から『パーマカルチャー』という考え方を取り入れて、いわゆる循環型の農的な生活をここで体現していくという形で、自分達もそういう生活をしつつ、ここに来られた方もそういう生活を体験できるような場としてずっとやってきたんですね。









今シーズンからちょうど、先代の臼井から引き継ぎをして、僕と山崎の2人の共同経営でここを運営していく事になりまして。
基本的なこれまでの考え方とかスタンスは残しつつも、また新たに色々な取り組みをしていく形に。
山崎は『ヨガや瞑想』、『断食合宿』とか『リトリート』など、そういう事を専門にやっているので、そういった面も取り入れつつ、新たな展開をこれからしていこうかなというところで。
ここでの食料に関しては、畑があるので、そこで彼女(小林さん)が中心になって自給しているような形をとっている『お宿』ではありますよね。



実は去年まで先代の臼井さんは、『お金のいらない世界』みたいなものを目指して活動してきたところもあって、宿に泊まった食事代も全てドネーションで、お金を取らずに、食べた人が好きなだけ置いていくっていうスタイルをとっていたり。
昔「バザール」っていう雑貨店をやっていたんですよね、いわゆる0円のショップ。
ギフト雑貨店って言ってましたけど、自分が使わないけどもまだ使える物、ゴミにするんではなくて誰かの為にと持ってきた物を、次の人がまた物を持って来て何かと交換する、そういう活動をしていました。
ただ、やっぱりある程度利益も出ていかないと経営的な視点で、ここに働いてる人達が生活出来なくなってしまうこともあって。
お金のいらない世界とはいえ、まだお金で動いている世界でもあるので、そんなにバンバン儲けるとかではなく、やっぱりスタッフが気持ちよく生活出来るくらいのベーシックインカム(最低限の所得保障)がないと、成り立っていかない部分があって。
今年から軌道修正でちゃんとした対価は戴いて、しっかりしたサービスを提供しようという考え方でやろうとは思っているんですね。



シャロムヒュッテで育てている作物はどんな農法ですか?

(小林さん)
今は5種類の農法をやっていて、川口由一さんの『自然農』を参考にしている所と、福岡正信さんの『自然農法』を参考にしている所、MOAの岡田茂吉さんの『自然農法』を参考にしている所と、『炭素循環農法』と、『森林農法』っていうアマゾンの先住民の方々のやり方を参考にしている、5種類のやり方でやっています。



共通しているカテゴリーとしては、無農薬・無化学肥料だと思うんですけど、肥料はどういった物を入れてるんですか?

基本的には肥料は入れていないんですけど、ナスとか肥料が必要なところは米ぬかを上から撒いたりするぐらいですね。
動物性の肥料は使いませんね。
(村上さん)
農法って、すごく枠にはめたがりますよね。
有機栽培なら、自然農なら、このやり方じゃなきゃいけないとか。
そういう事にとらわれてる人が多いような気がするんですよね。
ある意味、そういう枠を取っ払って農業は進めていく方がやっている方も自由で楽しいし、こだわりはそれぞれ自分の中であれば良いと思うので。
そういう(枠に囚われない)畑になっていってくれたら良いなぁと思うし、おそらく彼女はそれが出来る人だと思うので、あまり圃場の『これ』にこだわらないでやれたら良いかなと思いますね。
結局、名前(農法)つけるのは世間なので、そこがもっと自由になれたら良いんじゃないかなと思ってます。












※写真は5種類の畑

今後のシャロムヒュッテはどんな方向に?

(村上さん)
『自分が自分に還れる場所』みたいなものをコンセプトにやってますので、それを実現できるような活動であれば色んなツールがあると思うんです。
例えば、畑での農業体験もそうでしょうし、ここでオーガニックな食べ物を食べる事も、ヨガや瞑想も1つの方法として。
今は時代の過渡期にあって、色んな物事が変化していくタイミングだと思うんですよね。
そこで今までの既成の価値観というか、食べ物や働き方、生活の仕方であったり、『価値観に振れ幅』をつけられるような場所でありたいというのがあって。
そのレベルを目指していきたいところがあります。
まずは、宿業としてお客様をお迎えしていますけど、ここで暮らしているスタッフが幸せに生き生きと輝いていけるような場所作りっていうのをこの数年で基盤作りをした上で、そこから外に広げていく必要があるかなと思っていますね。
仕事の関わり方も、ここは会社としてありますけど、みんな社員じゃないんですよ。
ある意味1人のフリーランスとして関わってもらっているような形でいるんですよね。
『業務』として業務規定があって、この範囲でお仕事して下さいっていうやり方でここは機能していないので、1人1人が考えて、そのチームの中でどう機能していけるかを模索するような場になっていくのかなっていうのはありますかね。



シャロムヒュッテのこだわりとは。

(山崎さん)
ここに来ている人間は1人1人がこだわっている人間が来ました。
いきなりここを選ばないんですよ、新卒でシャロムに来たいんですみたいにはならないんですね。
自分で何かしらの『道』に入り、社会からある意味、外れてきた人間です。
ってことは、この社会においてそこから外れるという事は、よっぽど「自分はこうだ!」とか「こういう風になりたい」という想いがあるわけで、社会の常識に戻されないように『何かにこだわって』来たわけですよ。
なので言ってしまえば、こだわった人間の集団です。

こだわった者同士って難しいんですよ。
「私はこう思う」とか「いや違うでしょ」みたいに。
なので、その個のこだわりを自分で持ちながらも、『そのこだわりを崩していくところ』がこだわりですかね。
作り上げたものを壊す、そして認め合うというか、お互いに尊重し合うというのが、こだわりと言えばこだわりかな。



(村上さん)
僕はないかな。
こだわりって自分の中で既成概念を作るんですよね。
その既成概念を作る事で自由が奪われるかなと。
僕はやっぱり人間の根本にあるものって『自由意志』だと思うんですよ。
それを奪い取ってしまうようなこだわりであれば、要らないなぁというのが僕の考えではあるんです。
でも結果として、これがこだわりってみなさんが思うのであれば、それも自由なので良いと思うんですよね。
ただ、あまり執着したくないというのがあるので、さっきの農法の話もそうですけど、そこに執着して自分達の自由意志が無くなってしまうっていうのが嫌なので、そういう意味ではここへはこだわりを持った人が沢山居るんだけども、そういうのを徐々に解(ほぐ)していける場所であっても良いなぁって思っています。





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〜目的の為の手段〜伊那ノ巻

ベジタブルジャーニー40県目の長野県へ入りました^ ^
海に面していない内陸県で、群馬県・埼玉県・山梨県・静岡県・愛知県・岐阜県・富山県・新潟県と8つの県と接し、日本で最も多くの都道府県と隣接する県でもあります。









向かったのは長野県の南部に位置する『伊那市』。

農薬・化学肥料はもちろん動物性肥料も使わず、自然農法・自然農・バイオダイナミック農法・炭素循環農法など、さまざまな農法を自分なりに学び、畑と相談しながら、必要な農法をブレンド。
独自の農法を日々精進し、WWOOFで集まる世界中の人達と、喜びを分かち合いながら生活している『ORGANIC FARM 88』さんにお邪魔してました。
お話をうかがったのは、ORGANIC FARM 88代表『林 亮(はやし りょう)』さん(35)。
ベジタブルジャーニー133件目の農家さんです^ ^



林さんの生い立ちから農家になるまで。

僕は仙台生まれで、20歳ぐらいまで住宅地の中で悶々としていて。
高校はエンジニア系で、専門学校も自動車整備へ行ってたんですけど、今ようやく解ったのが、当時から何か作る人になりたかったと思うんですよね。
学校も自動車整備へ行ったけど、現実はコンピュータで管理しちゃってつまらないし、都会の暮らしっていうのに疑問が凄くあって。
それもあって20歳ぐらいの時にカンボジアへ行ったんですよ。
カンボジアでボランティアをして、一応首都に滞在していたんですけど向こうは何もないんですよ。
冷蔵庫、テレビはもちろん、電化製品も何もない中でシンプルな暮らしをしていて。
でも逆にそれは凄く心地良くて。
人と人との関係も強くなるし、テレビもないのでみんなで話をしてたり、シンプルな暮らしの方が凄く楽しくて。
ストリートチルドレンとか問題はたくさんあるけど、みんな貧乏だけど凄い楽しそうに暮らしてて。

それから日本に帰って、成田に降りて電車に乗ったら、みんな下を向いてるんですよね日本人が。
なんかそれが凄い異様で、どんよりしていて、凄くギャップを感じて。
地元へ帰って何をしようかと思った時に、自給自足をしようと思ったんですよ。
まぁ自給自足というか、とにかく働きたくないなと思って。
朝から晩まで会社に行って、やりたくない事してっていうのが嫌だなと思ってて。
それで、本屋さんで福岡正信さんの本を読んで。
そしたら放っておけば出来るっていうから食費も掛からないじゃないですか、それはすげーなと思って自然農法しようって思って、暮らしもカンボジアの時みたいにシンプルにすれば、そんなにお金がなくても生きていけるかなと思って、最初は農業を体験しようとWWOOFをしたんですよ。
WWOOFなら無料で仕事を教えてもらえるし、そういう暮らしも体験できるので。
それで最初に来たのがこの町のフリースクールなんですよね。

半自給自足というか、薪を使って、食べ物も米から野菜まで自分達で作るっていう生活をしてみて。
やっぱりその暮らしは自分には馴染んで、今までの暮らしとは全然違うんですけど気持ちがいいし、楽しいし。
その時に食べた野菜の味が凄く美味しくて。
そこで初めて有機野菜っていうのを食べたんですけど、自分で育てて食べたものが美味しくて、凄く感動して。
『農業』という有機農業に興味を持って。

最初は農業やるぞって感じでもないんですけど、ただ何となく漠然と将来どうしようかなと思いながら、その時の興味のある事をやっていたら何故か今野菜を作って売るという生業になってるって感じですね。



何で色々な国の中からカンボジアへ行ったんですか?

最初は英語を勉強しようと思ってアイルランドへ留学しようと手配していたんですけど、題名忘れちゃったんですけど何かの映画を観て。
それに感動して、やっぱり発展途上国に行こうと。
何かお手伝い出来るかなと思って。
たまたま受け入れてくれる所もあったんで行ったんですよね。

たまたま本屋で福岡正信さんの本を読んだって事ですけど、本はよく読んでいたんですか?

本は好きでしたね。
20歳前後はめちゃくちゃ読んでいました。
人生に1番悩んでいた時期だったのかな。
今でも読むんですけど、あの時期は暇だったし1番読んでいましたね。
僕ら夫婦は活字中毒なんですよ(笑)



畑で動物性を使わない理由って何かあるんですか?

動物性全てを否定しているわけじゃなくて、日本で動物性堆肥の良質な物を手に入れようと思うと難しいというのがあって。
家畜の飼育環境が劣悪過ぎるので。
僕、北海道にいる時に飼育の牛屋さん見に行かせてもらって、もう暗い所に閉じ込められてエサしか食べないみたいな光景を見て、本当に可哀想だなと思ったし、もちろんエサに抗生物質も入っているから糞で出てくるので、そういった物を使いたくないっていうのがあって。
野菜を売る時に、これは動物性使ってます、これは使ってませんっていうのは僕も面倒だし買ってくれる人も分かりにくいと思ったので、それなら全部使わない方が分かりやすいので使っていないのと。
あとは、野菜を育てるコンセプトとしていかに肥料に頼らず作るかっていうのもあります。
だいたい野菜を作る方が言われるのが、野菜の出来が悪いと「肥料やれよ」ってそこだけなんですよ。
でもそれはおかしいと思っていて、もっと色んな要因もあるだろうし、肥料っていう1番大きな思い込みを遮断する事で、もっと自分が考えられる範囲が広くなると思うんですよね。
もっと違うアプローチでやり方変えたり、種が原因かとか、そういった意味でも動物性肥料は使わない事にしています。



様々な農法をブレンドしているORGANIC FARM 88独自の88農法とは?

基本は動物性肥料を使わないっていうのがあって、土地によって出来、不出来があるんですよ。
その土地に合った作物があって、無い物ねだりではなくて在るもの探してっていうか、この土地でよく出来る物を作った方が無理に自分の作りたい物を作るよりも、その土地で作りやすい物を作る方がエネルギー面でも効率的だと思っていて。
ここだとあんまり肥えてはないんですけどカブとか大根が美味しく出来る所で、そういう物は肥料使わなくても種を蒔くだけで本当に美味しい物が採れるんですよね。

基本的に僕が大切にしている事が、『100年1000年後も、この地で同じように農業をし、この地で生きる人達が営める』っていうのが1番の目的。
かつ、『健康的で美味しい野菜』を作るっていうのが目的なんですよ。

農法はあくまで『手段』なんですよ。
その目的の為に、どういう手段を取るかだと思うのであまり重要じゃないと言うか。
今、1番力を入れているのがバイオダイナミック農法で。

僕は北海道で農業研修もしていたんですけど、最近天候が落ち着かなくて農家としては大変やり辛いんですね。
うちは9月が1番売り上げ高いんですけど、一昨年はそこに雨がずっと続いて本当に生命の危機を感じる出来事があって。
逆に言うと太陽のおかげで、太陽がないと自分は生きていけないって感じて。
どうしたらいいかって時に、バイオダイナミック的なアプローチでやろうと。
そこから今はバイオダイナミックを取り入れつつ。
面白いですよ。



バイオダイナミックを取り入れて何か気付いた事とかありますか?

種まきカレンダーっていうのがあって、いつもその話をするんですけど、研修中はトラウマでしかなくて(苦笑)
雨が降ってても根の日だから人参を収穫したり、この日っていうのが決まっているから雨だろうが雪だろうがやるので、それが凄いシンドくてもうあれから10年くらい開けなかったんですけど。

3日間、ズッキーニの種を蒔いたんですよ。
ズッキーニの種ってカボチャみたいに大きいのでほぼ100%近く発芽するんですね。
3日間、晴れる日があったので同じ条件、同じ時間で蒔いたんですけど、2日目の種だけ全然生え方が違って発芽してこないんですよ。
生えて来ても生気がなくておかしくて。
1日目と3日目のはちゃんと生えてるのに「なんでだろうなぁ」って考えて、「これ種まきカレンダーかな」と思って急いでカレンダー見たらその日だけブラックデイで。
バイオダイナミック自体も目に見えないからあんまり信じていなかったし、疑っていたんですけど、その経験から必ず守らなきゃいけないなって物になって。
リスク分散の為にも、何か指標があるのはありがたいですよね。



ORGANIC FARM 88のこだわりって何かありますか?

特にないですね。
無農薬・無化学肥料だとあまりよく思われない時もあって。
無農薬・無化学肥料っていうのが前に出ちゃって、それが目的みたいにとらわれがちなんですけど、僕は別に無農薬・無化学肥料をやりたいわけではなくて、さっき話した目的があって、その為にどういった事をすれば良いかってなった時に、農薬とか化学肥料が無い方が色んな良い事があるって、単純にそれだけなんですよ。
今のやり方が色んな面で効率が良いので、それがこだわりって言ったらこだわりなんですかね。





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